富士見中・徹底攻略【理科】
総評
設問数は2019年で40問、2020年度は38問、2021年度は43問と、40問前後の出題数だったが、2022年度は27問と減った。
これは後半の解説にも記載するが、大問2の問5で、東京オリンピックで燃料電池を搭載したバスや、選手村の各部屋に家庭用燃料電池を設置した事を取り上げ、水素を燃料として使うことが地球環境を守ることにつながる理由を、日本の発電方式として大部分を占める火力発電と比較し、その理由を解答用紙に4行分、記述する問題が出題されたことによるものと考えられる。
2021年度から大学入学共通テストが始まり、センター試験の知識、技能だけを問われる問題に加え、思考力や判断力なども重視される問題が出題されるようになったことから、大学入試を意識し、富士見中に限らず、他の私立中でも、都立中の適性検査のような記述問題が増えたと実感している。
さて、この四年間の富士見中の理科は、生物、化学、物理、地学分野から偏りなく出題されている印象だった。
大問1は生物から、消化、五感、魚類と生態系、植物から出題されている。
消化管の順番や、消化酵素、生物の分類、葉の作りなど、基本的な知識は覚えておきたい。
2021年度は計算して解答する総合問題が出題されている。ヒントは文章中に必ずあるのでしっかり読み取りたい。
大問2は物質とその性質、三態・燃焼、密度、から出題されている。
指示薬(BTBやフェノールフタレインなど)とその色の変化、水溶液の性質、気体の集め方など、これも中学受験の基本であるため必ず覚えておきたい。
また2020年度は熱量の計算、2021年度は中和による気体の体積の計算も出題されているため、これも落ち着いて解きたい。
大問3は星の動き・月の満ち欠け、温められた空気の動き、湿度、地震の伝わり方から出題されている。
定番ではあるが、太陽の位置から地球の昼の部分と夜の部分、その地点の時間、月のどこに太陽の光が当たっているのか、陸と海のどちらが温まりやすく冷めやすいのか、飽和水蒸気量のグラフの読み取りと結露、P波とS波、緊急地震速報の仕組みなど、必ず原理を覚えておきたい。
大問4は熱量の計算、てこ・てんびん、磁石、滑車・ばねはかりから出題されている。
どれも難問という程ではないが、設問が多く、その設問が次の問題のヒントになっていることもあるため、これまでの勉強した内容がしっかりとわかっているか試されている。
ひとつづつ丁寧に解いてもらいたい。
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